日本の古典、本金餅糊手描き京友禅「桧扇柄」振袖の制作工程

1: 下絵の最初の工程、アタリといわれる仕事です 紙に消し炭でおおよそ
の柄の形や配置を描きバランスを整えます  写真は上前から脇にかけて
の柄です、この振袖も細かく柄を描き超高級品に仕上げます
2: 伊と幸の緞子生地に桧扇の柄の下絵が出来上がりました細かく描い
ておりますので写真ではよく判らないと思いますが工程が進むと徐々に
見えてきます  使用している生地は伊と幸の緞子です 
紙の下絵 白絵羽に描いた下絵
3: 大変!下絵が消えてきた、この暑さと湿気、化学青花の品質?糸目の途中で
下絵が薄くなり消えてきました 再度下絵を描き直し事なきを得ましたが、2週間ほどで消えてきたのにはびっくりです 下の写真は糊糸目が出来て友禅地入れをしたところです 
4: パソコンで色見本、友禅師さんにこちらの意向を伝えるために色見本
を作ります 地色はピンク系の藤色にします この地色にあまり強い色は
合いません 白色とボカシを入れて優しく仕上げます パソコンで出る色
には限界があり実際に使う色はもっと複雑な深みのある色を使います

彩色の色見本
5: 古典の京友禅の高級品は茶系統の色が基本になっていることをご存
知の方は少ないと思います 茶色といっても赤茶から地味な茶色まで色々
とあり格調高く染め上がります  この茶系の色に合わせて地色や他の挿
し色が決まります 袋帯もこの茶系統に合うように過去から作られております 

時代も人も変わってきています 現在の若い女性は優しく、しなやかで美人
が多くなりました 似合う色もきりっとした茶形の色よりも柔らかなピンク系
統の色を好む人が多くなりました、 当店オリジナルの振り袖は茶系統の色
よりもピンク、ローズ、赤を多く使うようにしています  着物を創るとどうして
も作る側の性格、センスが出てきます 当店は優しい色柄の着物が創れます
色挿し友禅
伏せ糊1

: 友禅が入りました 古典の中に新しい色目を採用して斬新な振袖が見え
てきました、写真には出ておりませんが柄はかなり細かく入っております 
重厚感のある振袖になりそうです 画像をクリックすると拡大画像が見えま
す この後この色を定着させるために友禅蒸しに廻します

: 今日、糊伏せが上がりました 重い加工でしたので伏せるところも沢山あり
実際に重量も重くなりました 計っていませんが10kは超えてるでしょう 
この振袖も振り口付です 地色の引き染めはこのようにいったん染まった柄
を糊で伏せて引き染めに廻します 画像をクリックすると拡大写真が見えま
す 大きな丸巻きの振袖をご覧ください 糊の状態は乾き過ぎても柔らか過
ぎてもダメ、染料に溶けない程度の適度の硬さが必要です

金彩加工

8:  地色の引き染めができました 淡い藤色のいい色になりました ここ
までくると大体雰囲気がつかめます この引き染めの工程がドキドキワクワ
クの瞬間です この地色は難しい色で展示会などに陳列をすると色がヤケ
て薄くなります この地色があまり見かけない理由です 今日、染め上がり
そのまま金彩加工に出してきました  画像をクリックすると大きな画像を見
ることができます  染め上がりの予定は10月の中ごろになそうです  


        袖の柄   
  全体柄  
    

まもなく染め上がりますが この振り視では世界に一枚しか存在しません
  
仮絵羽が出来たら写真をUPします  

9:
  金彩が上がりました 仕上げの段階です  純度の高い金箔を使
うと友禅に品格が出てきます  この後金駒刺繍と仮絵羽で出来上がり
です こうして手間隙をかけて創る振袖と既製品の振袖(染め上がり品)
との違いは依頼する職人さんのレベルも違いますが 一番の特徴は手
創りの温かみが出てくることです
 上前の2枚の扇の白い色が重なった
ので金砂子の加工と金箔を追加注文してきました
 お化粧直しです  

10:
  金彩が出来てきてリンクを張りましたのでここをクリックしてク
ローズアップ
をご覧ください ちょっとしたことですが上前の柄に重みが出
ました 何処を触ったか判りましたか?  さあ最後の工程刺繍です  

桧扇の紐のところに金箔を入れたので刺繍は金駒で扇の縁と扇の筋、
そして赤い紐の要のところに刺繍を入れるように依頼をしてきました  
一週間後、素晴らしい振袖が染め上がります



金駒刺繍

11:
 10/28金駒刺繍が上がりました  そのまま仮絵羽に出しました  
刺繍を入れたところは扇の縁の部分と各折れ目のところ、そして紐の中
心です 前回の貝具の柄より全体に華やかに上がりましたので上前に
もボリュームを持たせました
 

11/1 に仮絵羽が上がります 加工の全工程すべて完了です 
12: 仮絵羽が上がりました 完成です 見たことのない地色、お誂え染めの
上品さ、 最近制作されていない重い柄付け華やかで上品な振袖が染め
上がりました まだ誰も試着すらしていない出来上がりたての振袖を是非
お求めください
全体拡大写真

前全体       
袖と胸